僕に教えてくれるよね?全て。

君に聞きたいこと、話してくれるよね?

『時間がない』って言って…延ばしたりしないでね?

じゃないと僕…身を投げるから。

君が言おうとしないなら…この大空に負けない海に。























第30話 受け止める心、欲しいと思う。この身投げずにすむように。






















「…はぁ……っはぁ………っ…アスラン!!!!!」


アスラン、見つけた。

何で其処でとまっているんだろう…。


「……キラ」

「僕、君に聞きたいことがあるんだ」


アスラン…どうして俯くの…。


「…お前に……何を…」


どうして、そんなに困った顔、するのかな。


「ねぇ。言って。全部、話して。時間ないとかそんなの無しで」


全て言って欲しいんだ。

君に言われた言葉を、信じるから。


「…僕は、アスランのこと大好きだよっ…

 僕はアスランの弟なんだよ?お兄ちゃんには何でも話してもらいたいっ

 僕だってアスランの手助けしたり、一緒に悩んだりしたいんだよ……!!」


僕だけが知らないなんて、そんなの、辛すぎるよ。

せめて、一緒に悩ませて欲しい。


「ずっとお前に言えなかった」


言えない…こと。


「………キラを犠牲にしているんだよ、俺は」

「え?」


僕を犠牲に……って?


「お前を犠牲にして…俺は生き延びている…。そういう事だ」

「違う!そんなの、絶対に違う!!!!」


利用の意味、全然解らないけれど…。

そんな事ありえない。


「どうして?どうして……」


どうして君は、自分を悪者にするんだろう。


「アスラン。いいかな?」

「何が」

「僕の両親のことについて教えて欲しい」


最初は、それから。

きっと、そのほうが言いやすいだろうから。


「ラミー・ヒダカと、ミキ・ヒダカ。二人はキラの両親だ」


ミキと…ラミー…。


「ミキ…君の母親は、君をザラに預けた後すぐ…死んだ」

「……………」


死んだ…………?


「俺が殺した、とも言えるし、ザラが殺した、とも言える。…そしてお前が殺したとも…言えるだろう」


アスランと…両親(ザラ)と……僕……?


「ミキは元々病弱で…それほど強い身体を持ち合わせては居なかった。

 けれども、彼女は頑張って二人の子供(・・・・・)を産んだんだ」

「…頑張って…………ん?『二人』?」


二人…って。


「君の双子の妹のライアだ」


僕に双子の妹なんて………いたの!?


「だが、ミキが俺の母親のレノアの元へ来たとき、キラ。お前はライアに盗まれたんだ」


盗まれ………た?


「その時レノアは銃声を響かせ……ミキは重傷を負い、オーヴへ…」

「……………」

「君を取り戻そうともしていたはずだが…そのまま、意識を失った」


…お母さん………。


「俺は…あの時直ぐ医務室へ運べばよかったんだ」


………お母さん………っ


「けれど…レノアに言われた言葉が頭から離れなくて…呆然としていた」


………………お母さん!!!!!


「俺は…助けてやれたのに助けなかったんだ!!!!」


……まだ、僕はお母さんに……あってないよ…………っ


「ミキはキラを捨てたんじゃない。キラを取り戻そうとして怪我を負い、死んだんだ」


…やめて…………。


「…ミキは最後までずっと、繰り返していた」


………………やめてっ!!!


「『二人だけの兄弟だから、仲良くして欲しい』と……」


もう、それ以上は…聞きたくない……。


「ヒダカはその時別の国へいたせいで、キラを取り戻せなかった」


僕を見捨てたんだ。それを、隠す為なんだ。


「クラインに命を狙われ、俺たちのところまで行けなかったんだ」


――――――お母さん、御免なさい。


「…っ………お父さん……お母さん………っ」

「キラ…」


血のつながりなんて関係ない。

僕とアスランは兄弟なんだって。

解ったはずだったのに……。

こんなに、お母さんを恋しいって思うなんて。

会いたいって願うなんて。


「キラ、御免」

「違っ…アスランは悪くない」


一つ、真実がわかっただけでも…こんなに怖いなんて。

知らなかった…。


「僕は言わなきゃって思ってたんだ」


『沢山のありがとう』を。


「ありがとう」

「え?」

「僕を守ってくれて。庇ってくれて。凄く、嬉しかった」


だからこそ、怖くても聞くんだ。


「僕を………騙していたの?」

君が騙していたと思うと怖くなる。

だからその前に両親の事を聞いたんだ。

それが本当なら、君は嘘をつかないよね?

笑って迎えてくれるよね?


「…………だとしたら、どうする?」


自分で聞いてはいけないこと、と、後悔したのは今だった―――。


「………御免なさい」


でも、それでも…君に聞きたいと思うのは…。


「ずっと、言わないでくれてありがとう」


抱え込むのが嫌いなら、聞かなければいい。


「…っ……大好きだよっ」


こんな言葉しか、伝えられなくて御免なさい。


「でも、知りたいんだ。今だから。君は僕を騙さない…って僕は信じてた。

 もし、君が騙してたっていうんなら、全部答えて教えてくれるかな?騙していた全てを」

「――――っ!!!」








騙していたのならいえるよね?

全てを――――――――――――……………。






















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後書き。
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何で種書いているんだろう…って思ってしまった星凪です。
第30話!祝☆30話!
4月10日は良い事続きですよ。
自分の誕生日&サイト120000hit&一気に2話かけた。
これも全部皆様から頂いた元気のお陰です!!!
これからもがんばりまーす!!!!
ではではコレで。
04年4月10日 星凪聖夜 拝